不思議な公園 作:堀 剛 ここは不思議な公園だ 何百人もの行列に誰一人割り込む人もなく 配られる一つの餅に正月を確認する 寒さしのぎに火を囲む 一杯の雑炊をすする 古着を分け合い ロボットどもに包囲され野宿する人が六百人 ここは不思議な公園だ 入る人は 既に六百機のロボットどもの機械的視線を無視してきた 出ようとする人は 六百機のロボットどもと口論せねばならない 日本国憲法二十一条と あるいは全条文について ここは不思議な公園だ 六百個のジュラルミン楯と警棒が歩く 足音は天皇の軍隊のリズムである だから僕は精一杯にらみつけている リモートコントロールと コンピューター制御されたロボットの構造が知りたくて ここは不思議な公園だ 包囲する側の暴力と 包囲される側の貧しい人々の良心があって この公園にたたずむだけで 機動隊の撒き散らす政治的意味が 君にも再発生する 1985年12月31日から86年1月3日 僕の見た この日だけでも 釜ケ崎 三角公園では


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