じゃ坊さまや寺はなんのためにあるのです? 国分寺が全国にたち りっぱな大仏がつくられる⋯ みんな政治のためだ お上が庶民に重い税金を払わせ だまって従わせるために⋯ 仏教をひろめてごまかしとるんじゃよ どうだ がっかりしたか? 宗教なんてそういうもんだ
生きものはな どんなちっぽけなものでも 生をうけたからには なにか生きる役目をもっているはずじゃ また説教をはじめやがった! おまえはくだらん人間だ 人間のクズかもしれん だがいまわしはしったぞ おまえはその像をつくるために うまれてきたのだ!
中魚禽獣死ねば⋯どれもみんなおなじ! 人が仏になるなら⋯生きとし生けるものはみんな仏だ!
生きる? 死ぬ? それがなんだというんだ 宇宙のなかに人生など いっさい無だ! ちっぽけなごみなのだ!
あおによし 奈良の都は咲く花の におうがごとく いまさかりなり 平城京を舞台として発展した奈良朝の文化は かなり仏教的な色あいがこいものであった 天皇をはじめ 貴族 豪族 学者 しかも神社までが 仏教文化に協力した そのよい例が東大寺の大仏である しかしそのかげにはいつも くるしみながら どれいのように働かされている民衆がいた ことを忘れてはならない