原発の安全神話は、福島第一原発事故で脆くも崩壊したが、もうひとつ、私たちが知らない うちに安全キャンペーンに騙されて、私たち日本人の未来を危うくしている問題がある。一般 にはあまり知られていない「ネオニコチノイド系農薬」のことだ。 この農薬は、放射性物質のように目に見えず、臭いもない。だから、どれだけこの毒物が日 本の野山を覆い農作物を汚染していても、誰にも気づかれない。しかし今では、この目にみえ ない毒物が、米や野菜などのほとんどの食べものはおろか、住宅建材や家庭菜園やペットなど、 私たち日本人の生活のすみずみまで浸透している。そして、それが及ぼす計り知れない影響が わかるのは、おそらく数十年先のことだろう。 こうしている間にも、ミツバチやトンボなどの昆虫や、昔ならどこにでもいたスズメや野鳥 たちが、刻一刻、音もなく姿を消しつつあり、その勢いはさらに加速している。生態系崩壊は 進行する一方だ。こうした環境の変化がある中で、弱毒性で、害虫は殺すが人には安全。そう いう農薬メーカーの宣伝や、 農林水産省の役人によって作られた「ネオニコチノイド安全神 話」がまかり通り、この毒物の流通を一直線に推し進めている。それどころか、日本各地でこ のネオニコチノイドにまつわる被害が起きているにもかかわらず、私たち国民の無知と無関心 によって、この農薬の大量使用の現実が放置されつづけている。 (中略) 2012年7月24日 水野玲子 |
1 日本の専門家によるストレス説 農薬ムラは農薬主犯説を認めない (中略) しかし,日本における農薬をめぐる利権構造をなす,農水省や農薬企業、御用学者たちが、けっ して認めたくないのが農薬説だ。 この ”農薬ムラ” を前にして, 農薬主犯説を口にした途端に 専門家として失職してしまうほど、農水省の圧力は大きい。何としても農薬原因説以外のもっと もらしい説明を展開しなくてはならないのだ。 (中略) ミツバチ研究の第一人者、農水省の畜産草地研究所の木村澄氏は、、、、 (中略) どんな原因でもストレスにされ、人間にあてはめれば全員が「ストレス死」という診断書を受け 取るようなものだ。 (中略) 農水省の「研究者」が四苦八苦して展開したストレス説とは、そもそも矛盾に満ちた"はぐらかし の論理"なのだ。 (中略)2 新しいウイルス説で生じた混乱 ミツバチ大量死の原因をめぐって (中略) 次々に学者たちが新しいウイルス名を挙げては、それをマスコミが報道する状態が続いていた。 2011年1月10日の「日本農業新聞亅は、近年西日本で起きている日本ミツバチ大量死の原因は "サックブルード・ウイルス"説であると報じた。 (中略) 複合要因という言い訳 (中略) 一見して科学的な結論に見える。だが裏を返せば、それは何の具体的対応策も打ち出さないことへ の格好の言い訳になる。 |
5 ミツバチもトンボも消え、そして人間も 農薬の空中散布 それでは、日本で農薬空中散布の規制が進まない原因はどこにあるのだろうか。それは空か ら農薬を撒けば儲かる人たちが、ここでも農薬利権に群がっているからなのだ。農水省、林野 庁、農薬工業会、ヤマハなどのラジコンヘリ製造元数社が、原発ムラのように利権構造でしっ かり手を組み、そして、農水省のOBが役員に名を連ねる農水省天下り法人、社)農林水産航空 協会(会長:元農水大臣審議官)がこのような利権構造の中心でこの農薬ムラを牛耳っている。 植物も人も、生殖の手伝いが必要 生殖の危機は、植物だけでなく動物にも及んできた。女王ハチは不妊症になり、そして人間 の世界にも不妊症が溢れている。日本における不妊症カップルが10組に1組といわれたのは10 年以上昔のことだ。今ではそれは6組に1組になったという。 |