未央 性といえば、私が基本的なことを知ったのは3〜4歳のころ、「パパはどうやっておしっこを
するの?」から始まって。
進 パパはおちんこというものがあるけど、きみにはないという話をした。ある日お風呂に入ったとき、
さわりたいっていうから、さすがに困ったね。でも、いつかはさわるんだからと思って「だいじなものだ
からていねいにさわってくれ」と。そしたら、ほんとうにていねいにさわっていたね。
未央 それで第一段階は納得した。つぎはポルノ映画のポスターでしょう。
進 家の近くの電柱に、女の人が裸で髪をくわえているポスターが貼ってあった。ぼくには少しも刺激的
ではなかったんだけどね。
未央 それでときどき私が髪をくわえるようになった。 ウフフフ。
進 ぼくは、あれだ! と思った。
(中略)
進 そう考えると性というものの中にはいろいろな要素があって、感覚的の背中がゾクゾクっとしたり、
頭の中が乾いた感じになったりするのは、いわゆる性衝動が起こって感じるんじゃないと思う。
未央なんて、性衝動があるかなきかの年齢に感じているわけだから。未央にとって、おちんこも性なら、
髪の毛をくわえるのも性なんだなと思って、それ以上の追及はしなかったよな。
未央 そう、パパは礼儀正しかったよね。
|