|
所謂金鉱母岩である、輝石安山岩(山石)にほとんど水平に坑道を掘ってあります。 高さ1米70糎、幅70糎人間一人通行できる程の広さに岩を砕いて掘ってあります。 それが金鉱脈(石英)に届くまで進むとそれから先は鉱脈を砕いてはこび出す仕かけ にしてあります。鉱脈を掘り砕くためには鉱脈の所に煙突状の坑道をあけて、その坑 道に松や雑木の割木を一ぱいつめて火をもやしつくると、坑道全体を強熱します。 この強熱によって鉱石の石英が非常にもろくなりますから、このもろくなった鉱石を 打ち砕いて坑外にはこび出すことになっております。山ではこの作業を焼き落しとい います。こうして焼き落とした鉱石を坑外に運び出して竹製のかごに入れて搬出しま すが、その坑内の照明用には種油の灯をつけてあります。その油入れがサザエ貝を用 いてあります。坑道の側壁に棚をつくってそこにサザエ貝を載せてあります。鉱夫達 も手さげ灯具を持っております。 |